茶道の世界を学ぼう!

茶道についてちょっと詳しく学びましょう!

1.茶道の流派について


茶道には代表的な流派として、千利休を始祖とする表千家・裏千家・武者小路千家があります。 これらの流派は総じて“三千家”と呼ばれています。
千利休の子孫達が三千家それぞれを開いたとされています。


表千家(表千家流)

保守的な流派です。着物は地味なものを好み、お抹茶はあまり泡立てません。座る際、男性は安定する程度に膝をあけ、女性は拳1つ分あけて座ります。

裏千家(裏千家流)

他2つと比較して開かれた流派なため、茶道人口が1番多い流派です。着物は華やかなものを好み、お抹茶はふわふわに泡立てます。座る際、男性はこぶし2つ分、女性はこぶし1つ分あけて座ります。

武者小路千家(武者小路千家流)

三千家のうち1番保守的で小規模な流派です。着物は地味なものを好み、お抹茶はあまり泡立てません。座る際、男性は膝をこぶし1つ分あけ、女性は足を閉じて座ります。

表千家・裏千家では江戸千家流や速水流など、同じ千家でも複数の流派に分かれています。また、三千家とは違う流派も多数存在します。

2.お点前に使用する道具について


茶筅(ちゃせん) 茶碗に抹茶と湯を入れ、それを撹拌するために用いる竹製の道具です。表千家では煤竹、裏千家などほとんどの流派では白竹(淡竹)、武者小路千家では紫竹(黒竹)が使われます。

3.お茶の点て方


1.茶杓を右手に持ち、お客様に「お菓子をどうぞ」と声を掛けます

2.左手で棗を横から取り、茶碗の左側へ持っていきます。茶杓を持ったままの右手で棗の蓋を掴んで静かに開け、取った蓋は茶碗の右斜め手前に静かに置きます。

3.茶杓を持ち直し、茶を「つ」の字をかくようにすくい茶碗に入れるのを2回繰り返します。2回目の終わりには、茶を入れ終えた後に茶碗の縁で茶杓を軽く打ちます。
茶杓を持ったまま棗の蓋を静かに取り蓋をし、元の場所に置き茶杓をその上に静かに置きます。

4.柄杓で湯を汲み、茶碗に湯を入れます。この時、柄杓に少し残しておきます。
柄杓に残した湯を釜に返し柄杓を置きます。

5.茶筅を取り、手首を使って上下に動かしつつ茶を点てます。
茶筅を茶碗から取る際は、「の」の字を描くように静かに動かして取り、穂先を上にして立てて置きます。

6.茶碗を右手で取り左手に乗せ、茶碗の正面が客に向くように回し、客の前に出します。

4.お茶の飲み方


1.「お菓子をどうぞ」と声掛けられた後、出されているお菓子を食べ始めます。
注意すべき点として、茶が出る前に食べ終えなければいけません。

2.茶碗が出されれると自分も少し前に出て、まずは膝前に運び、自分が下がった後に縁内に運びます。
他に客がいる場合は、次の客との間に茶碗を置き、「お先に」と会釈した後、茶碗を膝前に置き「お点前ちょうだいします」と挨拶をする。

3.茶碗を右手で持ち上げ左手に乗せ、茶碗の正面を避けるように時計回りに回し、感謝の気持ちをもって茶をいただきます。

4.茶を全て喫(の)み終えたら、少しも残さないように吸い切り(少し音を立てて残りの茶を吸う事)をします。
喫み口は指先で清め、指先を懐紙で清めます。

5.茶碗を左手に乗せ、自分に茶碗の正面が見えるように反時計回りに回し、出された位置に返します。

5.ルールや心構え


1.「静寂」を楽しむ
  和敬清寂(わけいせいじゃく)という、茶道の心得を示す標語にもある通り、茶道は静寂が大切である。
  主人と賓客がお互いの心を和らげて謹み敬い、茶室の備品や茶会の雰囲気を清浄にすることこそ、茶道を楽しむ第一歩です。

2.わからないことは聞きましょう
  「はぢをすて(恥を捨て)人に物とひ習ふべし是ぞ上手の基なりける」
  これは利休の教えである茶人の心得・作法などを和歌に詠んだ「利休百首」から引用したものである。
  聞かぬは一生の恥とも言いますが、こだわりや外聞を捨てて師匠や周りの人に聞くことが上達のコツです。

3.菓子を食べる際は音を出さない
  前述したとおり、和敬清寂にならって茶道は静寂が大切である。
  口へ含んだら、唾液にひたして静かにいただきます。

4.基本正座です
  基本正座とは言ったもののお茶の席では正座でいなければいけないわけではありません。
  それよりも、一つ一つの所作を通して「亭主と客がお互いを尊重する心」を大切にしましょう。